
![]()
2000.5.1『Turkey Seminar』序
****
**** **** ****
**** ****
みなさん こんばんは。
Dr.
Pの『Turkey Seminar』の時間がやってまいりました。
本日、当セミナーが晴れて開講式を迎えるに到るまでには、ゆみさん、
とっちゃ、たか菜さんという最少催行人数の聴講希望が、講師に対する
励ましとなって、実現をみたという経緯がございます。
今後とも視聴率に配慮しながら、ゆるゆると続けて参りたいと思います。
どうぞ、ご静聴のほどをお願いいたします。
♪♪ なお、この場をお借りして、森のふくろうさんの『縄文博物館』
開館に対して、改めてお祝い申し上げる次第です。
コングラチュレーションズ!
To the
Opening of Johmon Doki-Doki Palace.
![]()
それでは、開講します。 起立っ 礼ぃ 着服(コラ!?)
*****Turkey
Seminar*****#001*****2000.5.1*****Dr. P*****
M42星雲
M16星雲
M1星雲
オリオン座大星雲 1500光年 へび座 5490光年 おうし座かに星雲 7200光年
【序】
宇宙論学者のなかには、「世の中に我々ほどホラ話が好きな者はいないだろうね」と豪語する人がいます。
まあ、これは、まっとうな学者であるにもかかわらず、あまりに突拍子もないイメージばかりを語らざるを得ない彼らの、ちょっとした照れ隠しの言葉なのかもしれません。
ところが我々アマチュアにとって、「宇宙論」を面白いと感じる最大
の魅力の源は、なんといっても、この数々の奇想に満ちたイメージ
にこそあるといってもいいでしょう。
本日開講の『Turkey
Seminar』では、いずれ、講が進めば、そんな宇宙論のなかでも、飛び抜けた奇想と思われるものをいくつか取り上げ、そのイメージの豊かさを、皆さんに味わっていただけるものと確信しています。
ただし、いきなり、その世界にお連れしてしまうことには、少しく危惧を覚えます。スポーツを楽しむには、準備運動。インターネットを楽しむにも、約束事をいくつか覚えないといけないように、「宇宙論」にもウォーミングアップが必要です。
いわば、本当にバーチャルの“快楽”を貪るためには、少しの間、
リアルな知識の詰め込み(手助け)が必要とされ、それに耐えねばな
らない、ということになりましょうか。NASAの宇宙飛行士が地上訓練
で耐Gのトレーニングに向かう気分でお願いします。
宇宙は、遠からず、あ・な・た・の・も・のになります。勿論、講師とし ては、皆さんになるべく苦痛を与えないように、配慮はしていく積りです。
それでは、みんな、覚悟はいいかい? Here we go !
![]()
2000.5.1『Turkey Seminar』1-01
【1-01】 BOOK 1 : 現代宇宙論の最前線
Sheet 1
宇宙それ自体がひとつの自然科学的な−より具体的には物理学的な−考察の対象となったり、その構造や進化という問題が「宇宙論」として、アカデミックに議論されるようになったのは、人類の知的活動の歴史から見ると、驚くべき事につい最近、ほんの4分の3世紀ほど前からのことなんです。さらに、宇宙論が物理学の一分野として広く認められるようになったのは、わずか30数年前のこと。
しかし、たったこれだけの短期間のうちに、宇宙論は、世界中の多くの天才的な研究者の興味を引きつけ、いくつかの顕著な発展をもたらしました。勿論、扱うテーマゆえに、それと同時に、多くの未解決問題を抱えるに到ったことも事実です。言い換えれば、最高級の“謎解き”の楽しみを我々に提供し続けてくれているともいえるのです。
本日は、ビッグバン理論形成の過程で何が問題とされたか、そして
宇宙物理学が現在取り組んでいる難題とは何か、という辺りから、
皮切りとします。
宇宙が静的なものではなく、実際は膨張していることが判明したのは、1929年のこと。アメリカの天文学者エドウィン・ハッブル(1889-1953※1)は20個ほどの遠方の銀河を観測し、遠くの銀河ほど速い速度で我々地球)から遠ざかっていることを発見しました。
これが宇宙の膨張を意味していることは、例えば、風船の上にほぼ
等間隔で点の印をつけ、その風船を膨らませてみると分かります。
その点のうちの一つを我々の銀河とすると、他の点はそれが遠くに離れていればいるほど、風船の膨張とともに速く遠くに遠ざかっていきます。どうです? イメージできましたか?
宜しい。また、このことは、宇宙に始まりがあったことも意味しています。風船(宇宙)は、最初一点に潰れていた、その時の点印(銀河)の密度は無限に大きかったことになる、この“無限大”の物質密度をもつ宇宙の始まりを、通常「ビッグバン」といいます。
それがどのようなものであったのか?、またなぜそのようにして宇宙が誕生したのか? といった問題が、最近の宇宙論の最大のテーマのひとつなのです。
| ※1:エドウィン・ハッブル: ウィルソン山天文台研究員のとき、M31(アンドロメダ銀河) とM33の観測からその距離と大きさを決定し、これらが銀 河系内にあることを発見した。これが世に言う「ハッブルの 法則」として、宇宙論に一大変換をもたらした。 |
ハッブルが膨張する宇宙を発見する少し前、ロシアのアレクサンドル・フリードマン(1888-1925※2)やベルギーのアベ・ジュルジュ・ルメートル(1894-1966※3)は、物質密度が空間的に一様な宇宙モデルを考えると、宇宙定数のあるなしにかかわらず、一般に空間の曲率が時間的に変化する、ということを見出していました。
| ※2:アレクサンドル・フリードマン: ソ連の数学者・気象学者・物理学者。スターリンの粛清に あって、追放されたが、近年脚光を浴びている。 閉じた脈動宇宙と開いた膨張宇宙という「フリードマンの 宇宙モデル」(宇宙は膨張と収縮を繰り返している)で有名。 |
| ※3:アベ・ジュルジュ・ルメートル: ベルギーの物理学者・神父。彼の考案した「宇宙斥力」 モデル説こそ、ビッグバンモデルの母体にほかならない。 |
こうして、ハッブルの発見は、我々の宇宙を説明する手段としての宇宙項、つまりアインシュタインの静止宇宙モデルのなかで重力と釣り合うために導入された斥力を生み出す定数項の存在理由を無くしてしまったのです。
この宇宙定数がなければ、重力は常に引力であるから膨張は常に減速される。正の曲率をもった宇宙ではこの減速率が充分大きく、ついには膨張が止まり、徐々に収縮に転じ、収縮の最後は、再び一点に潰れてしまうことになるとしています。
この収縮して密度が無限大になるときを、ビッグバンに対して
「ビッグクランチ」といいます。
この三人の膨張宇宙という概念は、当時なかなか受け入れられませんでした。するうちに、この宇宙膨張という事実を素直に受け入れてその物理学的帰結を最初に考案したのが、ロシア生まれの物理学者ジョージ・ガモフ(1904-1968※4)でした。
1946年、当時大きく発展しつつあった原子核物理学をもとに、彼は宇宙の過去に戻れば戻るほど高温高密度であり、物質を構成している原子分子、さらには原子核も分解していた火の玉宇宙だったはずであることに気がついたのです。
そして、そうした高温高密度状態が膨張によって急激に冷却していく間に起こる原子核反応を計算し、現在の宇宙に存在する水素やヘリウムなどの軽元素量が説明できることを示したのです。
これが「ビッグバン(大爆発)宇宙論」の始まりだったのです。
| ※4:ジョージ・ガモフ: ロシア生まれのアメリカの物理学者。フリードマンの教え子。 科学啓蒙思想家としても活躍し、『不思議の国のトムキンズ』 では、相対性理論を分かりやすく解説している。 ビッグバンの名付け親。 |
今日の話の中で出てきた、宇宙定数、空間の曲率、宇宙斥力、宇宙項、などという耳慣れないことばについては、追々説明が繰り返されますので、その内に理解できるようになることと思います。
今日の処は初出につき、『なんだぁ?』のままにしておいて下さい。
今後も、専門用語の解説には、あまり拘泥しないつもりです。ストーリーが途中下車を繰り返すと、話の方向を見誤ってしまうおそれがありますし、第一面白くなくなることでしょう。バーチャルなゼミナールで、そうした愚は犯したくありませんので。人名が初出の時のみ、今回のようにプロフィールをご紹介するに留めたいと思います。
−−−That's All for Today ! So
Long Everyone !
(では、本日は、ここまで。)
By
Dr. P
E-mail :
poesie@s5.dion.ne.jp
URL : http://poesie.hp.infoseek.co.jp/
この画面の一番上へ