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2000.5.2『Turkey Seminar』1-02
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みなさん こんばんは。
Dr.
Pの『Turkey Seminar』の時間がやってまいりました。
昨日の第一回講義は、予想以上に多くの聴講生にご出席いただき、講師はもとより、ポエジー興業の支配人(豹柄のスポンサー)も感涙に咽んでおりました。全国津々浦々《ちょっとオーバーか》から、遠路のお運びにあらためて御礼申し上げます。Webならではの醍醐味を、今後とも皆さんと共有・共感して参りたいと存じます。
また、放浪癖のある学長も、タイミングよく登校されておりまして、半ば強引にではありますが当セミナーの開講と教室の確保を許可いただいたような按配で、大いに勇気づけられましたこと、ここに謹んでご報告申し上げておきます。《一安心ですな、By
唐五〇》
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それでは、第二回目の授業 開講します。起立っ 礼ぃ 着服(コラ!?)
*****Turkey
Seminar*****#002*****2000.5.2*****Dr. P*****
火星
木星
土星
【1-02】 BOOK 1 : 現代宇宙論の最前線
Sheet 2
ビッグバン宇宙論を論じるに際して、知っておいていただきたい「膨張宇宙の一般的性質」というものについて考えてみます。《つまらんだろうなぁ》
昨日出てきたロシアのフリードマンやベルギーのルメートルらは、アインシュタイン(1879-1955※5)が考えたように空間の曲率が“正”である必要はなく、“零”や“負”の曲率の膨張宇宙が存在することも示しました。簡単に表にまとめると、次のようになります。
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【表1】3つの宇宙モデル
| 項目 | Type A | Type B | Type C |
| 宇宙のタイプ | 閉じた宇宙 | 平坦な宇宙 | 開いた宇宙 |
| イメージ補助 | 球体(ボール) | ビニールシート | 二つ折りマットレス |
| 物質密度 | 臨界密度より大きい | 臨界密度に等しい | 臨界密度より小さい |
| 時空の曲率 | 正(プラス) | 零(ゼロ) | 負(マイナス) |
| 体積 | 有限 | 無限 | 無限 |
| 宇宙の運命 | 収縮 (ビッグクランチ) |
かろうじて 膨張を続ける |
永遠に 膨張を続ける |
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空間の曲率が零の宇宙(Type
B)では、時空の曲がりは時間方向だけに存在し、三次元空間はまったく平坦な空間、すなわち、我々に馴染みの深いユークリッド幾何学が成り立ち、三角形の内角の和が180度になる空間のことです。この場合の宇宙の体積はもちろん無限大です。
これに対して、ボールの表面のような正曲率の宇宙(Type
A)では、三角形の内角の和は180度より大きい。また、負曲率の宇宙(Type
C)では、三角形の内角の和は180度より小さく空間の体積は無限大になるが、残念ながらこの場合を視覚的にイメージすることは難しい。
通常の物質で満たされた、この負曲率の宇宙(Type
C)=開いた宇宙では、減速率が小さいため、宇宙は永遠に膨張をし続けます。また、曲率がちょうど零の平坦な宇宙(Type
B)では、膨張速度は次第に遅くなり無限の時間をかけて零に近づく。後ほど再び触れますが、宇宙の曲率の問題は、宇宙を占める物質の密度が、ある臨界密度より大きいか小さいかの問題と同じであるといえます。
| ※5:アルバート・アインシュタイン: 二十世紀を代表するスイスの天才物理学者。光電効果による論文で 1921年にノーベル物理学賞を受ける。相対性理論ではなく、他の功 績でノーベル賞を授けられた背景には、当時台頭していたドイツの ユダヤ人排斥運動への配慮があったという。こののちナチスを逃が れ、アメリカへ亡命。西欧社会を侵すファシズムに対抗して、原爆 開発を進言する。第二次大戦後、広島に原爆が落とされたのを見、 それを悔いて平和運動を行ったことは有名。 宇宙論の歴史をどこかで大きく二つに分けるとすれば、その境目と なるのは、アインシュタインの相対性理論の登場した時点。彼によ って我々は初めて時間と空間の正しい概念を持つことができるよう になったといえる。詳しくは、BOOK 2:現代宇宙論の萌芽でたっ ぷりと。 |
上で述べた正・零・負の曲率をもった宇宙は、ちょうど地上から打ち上げたロケットの高度(より正確には地球の中心からの距離)を宇宙の大きさに対応させたとき、そのロケットの初速度の違いに対応しています。
初速度が地球重力から脱出速度11.2km/sより小さいとロケットは再び地上に落下してしまう。この場合が正曲率の宇宙に対応し、打ち上げ時が「ビッグバン」、落下時が「ビッグクランチ」となります。
一方、初速度がちょうど脱出速度に等しいときが零曲率の宇宙、それより大きいときが負曲率の宇宙に対応します。この場合には、ロケットは地球の重力による減速力に打ち勝って、地球には二度と戻らず宇宙の彼方へと飛び去っていってしまいます。つまり、ビッグクランチがないというわけ。
【我々の宇宙が、この正・零・負の曲率のうちのどれであるか】
という問題も、宇宙の起源と密接な関係にあり、現在の宇宙論の大きな課題のひとつなのです。
ハッブルの膨張宇宙の発見や、フリードマン、ルメートルらによる膨張宇宙の解釈がなされてもなお、我々のいる宇宙がビッグバンから始まった宇宙であり、そのため「時間」さえも有限のあいだしか存在しなかった、という認識はなかなか素直に受けいられませんでした。「時間」が過去において有限だったということは、ある時刻以前には「空間」を含めたすべての存在があり得なかった(この言い方自体が、時間が存在しないことと本来矛盾している!)ことを意味しているからです。
この宇宙膨張という事実が素直に受け入れられて物理学的に帰結され「ビッグバン(大爆発)宇宙論」として陽の目を見させてくれたのが、ロシア生まれの物理学者ジョージ・ガモフだった、ということは、昨日お話しした通り。ここからが、昨日の続きにつながります。追いつきました。
?????????大丈夫ですか? みなさん 心配になってきた。
一服しながら どうぞ? ?????????????????????
その後、さまざまな人びとの研究によりガモフの理論はいくつかの重要な修正を余儀なくされましたが、ビッグバン宇宙論は、現在の宇宙の軽元素量を宇宙初期の高温高密度状態における元素合成の結果として説明する自然で、かつ唯一の理論といえます。
ちなみに、ガモフは宇宙初期の火の玉状態が中性子でできていると考えていました。この誤りに気付き、宇宙の初期状態は陽子と中性子がニュートリノと電子を媒介とするいわゆる「弱い相互作用」のベータ過程によって熱平衡にあったことを示し、その後のビッグバン宇宙論の発展に大きく貢献したのは、他でもない我が日本のエース、林忠四郎でした。《ホォゥ〜!》
ビッグバン宇宙論の正当性を示す、もうひとつの大きな証拠、それは絶対温度3K(摂氏零下270度)の熱平衡分布をもった宇宙背景輻射の存在です。
宇宙がその初期に「弱い相互作用」で熱平衡にあったほど高温高密度であると、陽子や電子など電荷をもった粒子に光子を媒介として働く電磁相互作用ももちろん熱平衡にあり、光子は物質と同じ温度にあった、となります。この物質と光子との熱平衡状態は、その後宇宙膨張による急激な冷却過程を経て、物質が原子を形作り、電子と結合して電気的に中性になるまで続く。いったん物質が中性化すると、光子はもはや物質と相互作用することなく、宇宙空間を自由にまっすぐに飛び始めます。
ところが個々の光子のエネルギーは宇宙膨張によって、ある一定の割合で減少していきます。これは我々が日常よく経験する、遠ざかる車のサイレンが通常より低い音に聞こえる「ドップラー効果」と呼ばれる現象と同じといえます。
前述の風船宇宙の例でいうと、膨張によって風船上の任意の2点は互いに遠ざかっていく。そのため、その上を伝わる光子は常にドップラー効果を受け、エネルギーが減っていくというわけです。こうして我々は、宇宙初期の熱平衡状態の名残りとして、現在、エネルギーの非常に低くなった光子があらゆる方向から飛んでくるのを観測することになるのです。
1964年、アメリカのベル電話研究所の研究員、アーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソン(宇宙背景放射の功績により1978年、ノーベル物理学賞を二人ともに受賞)は、通信衛星からの電波を受信する大型ホーン・アンテナを使って、通信のバックグラウンド・ノイズとなる宇宙からの雑音電波のチェックを行っていました。ところが、宇宙からやって来る様々な雑音電波を消去していくうちに、どうしてもその起源が分からない、総雑音レベルの1%ほどの電波が、波長7.35センチのマイクロ波領域で発見されたのでした。しかも、さらに不思議なのは、この電波が宇宙のどの方角からも完全に均等な強度で降り注いでいたのです。
つまり、これは既知のいかなる宇宙電波とも全く違うメカニズムで生じた、宇宙論的な起源の電波であるとしか考えられないものだったのです。二人が発見したマイクロ波こそ、ガモフが1953年に発表した論文の中で推定していた『ビッグバン』の直接の名残りにほかならなかったのです。
いまから120億年前と推定されている宇宙の始まり、ビッグバン、その当時宇宙に充満していた光です。(ひひひ!!!!!ひゃく!!!!120億年前 のののののの~~~~~~~)
その波長は宇宙の膨張と冷却の過程に従って非常に引き伸ばされ、今では絶対温度3Kほど、波長で言えばもはや可視光よりずっと長いマイクロ波の波長にピークがある。
こうして、この宇宙には、マイクロ波領域に3Kに相当する一定の強度で、全宇宙からの等方的な(方向によらない)背景輻射(放射)が、ほぼビックバン論者たちの予言通りに充満していることが確認されたのでした。ビッグバンの直接的な証拠が物証が発見されたことによって、一気にビッグバン理論は時代の寵児になったのでした。
この時をもって、初めて宇宙論というものが、マイナーな抽象科学の世界から、誰もがその手で触って確かめることのできる物理科学の表舞台へと登場したのです。ビッグバン理論こそは、実証科学としての基本条件を備えた唯一の宇宙論になった、と言えるでしょう。
次回は、素粒子物理学の発展とともに、次第に宇宙の初期の様子が解明されていく様と、それによってますますその正当性が強固に《ん? きょうこに!》なってきたビッグバン宇宙論の抱える問題点の考察へと、続きます。
もう少し、消化不良気味の話が 続きます。先は 大変 長ぁ〜い。
《みんな 大丈夫かなぁ お〜い! ついてきてるかい?》
−−−That's All for Today ! So
Long Everyone !
(では、本日は、ここまで。)
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Dr. P
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