
![]()
2000.5.14『Turkey Seminar』2-01
****
**** **** ****
**** ****
みなさん こんばんは。
Dr.
Pの『Turkey Seminar』の時間がやってまいりました。
*******((((((((((((BOOK2第1回))))))))))*********
本日からは お約束の 「達成感」篇 BOOK
2 : 現代宇宙論の萌芽
−アインシュタインを味わおう− が始まります。
消化不良で乗り切った(?) BOOK 1での苦悩に満ちた難解なことどもが、
これからのBOOK 2のお話の中で、あれよあれよという感じで 氷解して
いくものと信じます。 楽しみながら、 我々の住む “宇宙”への理解が
指数計数的に 皆さんの 脳に染み込んでいく ことを 予感しています。
「達成感」篇というネーミングの由来は、 そこにあります。
どうぞ お楽しみ(?)に。 では 張り切って まいりましょう。
その前に チョットだけ。
***********((((((((((((((簡易掲示板))))))))))))))************
■まるちゃんへ: 【勝手に○○日報!】・・0512 0513 目を通しました。
んちゃ。 そうし〜ん
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! の
思い切りと 唐突さが たまらなく イイねぇ。
《きょうこ さん との やり取りを 見て》
メーカーのApple社と その製品 Macintosh(略称 Mac) と I-Mac。
ハードも違う(マックのマウスはクリックするところは1ヶだけ)し、
基本ソフト(OS)も違う。Windows95/98/2000ではなく、Mac-Os。
でも、インターネットに使うブラウザは、共用。
Internet
Exploror も Netscape Communicator も Win/Mac共に
動くから、相互にやり取りできるわけです。
よござんしたか?
■斉藤さんへ: 多重人格の味は 甘くなかったんでしょうか?
少し 修業を積みますと 面白みが 出てきますが?
《ただし、経験上 五重くらいまでかな?》
−−−単なる 感想です。レスは要りません。
■New Comer の皆さんへ:
こんな処からで 失礼します。
Welcome to [from50]! のびのびと お暮らし下さい。
rara@大分さんへ: 是非 ダニエル・キイスを
斉藤さんへ お奨め下さい。
よ・ろ・し・く
nobato@愛知さんへ: 電算室の照明は 自然光に
近いものだと 疲れないのですが……
今後とも よ・ろ・し・く
*******((((((((((((Poesie@Kichijoji))))))))))*********
《イントロ 了》
![]()
☆★☆ それでは、第7回目の授業 開講します。起立っ 礼ぃ 着服(コラ!?)
*****Turkey
Seminar*****#007*****2000.5.14*****Dr. P*****

NGC2024星雲 NGC2174星雲 NGC2261星雲 NGC2264星雲
オリオン座 1300光年 オリオン座 5200光年 いっかくじゅう座 4900光年 いっかくじゅう座 2600光年
【2-01】 BOOK 2 : 現代宇宙論の萌芽
Sheet 7
科学史上における最大級の天才のひとりと称される、アルバート・アインシュタインも、まったくのゼロから自分ひとりの独創によって、世界を震撼させた相対性理論を築き上げたわけではありませんでした。
相対性理論の完成に至るまでには、それ以前の無数の研究者たちによる観測事実の積み重ねと仮説の体系が存在していたのです。アインシュタインはその天才的洞察力によって、相互に矛盾するそれらの仮説やデータをまったく新しい視点から統合する正しいキーを見出したのだといえます。
このパラダイム・シフトがもたらされるまでの過程(アインシュタイン前夜)を、ここで簡単に追ってみることから −アインシュタインを味わう− ことを始めていきます。
十九世紀もぎりぎり最後になるまで、アイザック・ニュートンの完成させた古典力学は、宇宙のすべての構造を解き明かす最終的な科学理論だと考えられていました。
ニュートン力学において宇宙を支配する法則は、古典力学の3法則、すなわち、
1.慣性の法則
2.加速度の法則
3.作用・反作用の法則
そして、あのリンゴの伝説で名高い「万有引力の法則」です。《詳しくは高校の物理の教科書でご覧下さい。必ず出ています。》
ニュートンの作り上げた物理体系は、たったこれだけの法則で、宇宙のすべての現象を普遍的に解明できるとされていました。
それが宇宙のすべての場所で通用する原理となるためには、宇宙のどの場所でも、物理現象を観測する人間の立場が同じであるという前提が必要ですが、この宇宙のなかには、すべての物理的観測の原点になる特別な立場など存在しません。
秒速10万キロですれ違う二隻の宇宙船があったとします。それぞれの船から見れば、お互いに自分の方が静止していて、相手が秒速20万キロで接近してくるように見えます。宇宙の広がりの中では、どちらが絶対的な基準であるかなど定めることはできないからです。
このように、観測者の立場を入れ換える操作を「座標変換」と呼びます。特に、一定の速さで直線運動をする「慣性系」どうしの座標変換を「ガリレイ変換」と呼び、ニュートン物理学は、この「ガリレイ変換」に対して不変であるといいます。従って、果てしなくガリレイ変換を繰り返し、宇宙の先へどこまで行っても、やはりそこにおいてはニュートン物理学はきちんともとの形のままで通用することになります。
ただし、ニュートン物理学が不変であるためには、ひとつの重要な前提が必要でした。それは、この宇宙のどこにおいても、時間はその本来の性質として同じ速さで「流れ」続け、空間は一様でなければ、ニュートン物理学は成立しないのです。
これを「絶対時間」および「絶対空間」と呼びます。
絶対時間と絶対空間の広がりとして定義された宇宙の中で、ニュートン物理学は無敵の理論となりました。
地球の周囲をめぐる月の運動、太陽の周囲をめぐる惑星の運動から、恒星間の相互作用、銀河の構造、そして銀河間の相互作用にいたるまで、あらゆる宇宙の現象は、万有引力の法則とニュートン力学だけで説明することができたのでした。
19世紀最後の年である1900年(ちょうど百年前)の元旦、イギリス王立アカデミーで行われた講演において、当時の物理学界の指導的立場にあったケルヴィン卿(※1)は、次のようにニュートンの物理体系の最終勝利を宣言したものです。
『今日の物理学の視野の中には、もはやごくわずかな暗雲しか残っていない。すでに我々はこの宇宙のすべての事象を、既知の物理法則のみによって完全に記述できる段階に達した』
| (※1): ロード・ケルヴィン(1824〜1907): イギリスの物理学者。水の氷点降下、絶対温度(K) の導入、ジュールトムソン効果の発見、ジャイロコンパス の発明など業績は多い。ちなみに絶対温度の単位Kは 「ケルヴィン卿」からとった。本名は、W・トムソン。 |
ところが、この「ごくわずかな暗雲」なるものが曲者でした。わずか数年後には、この暗雲はニュートン物理学の基盤をゆるがすまでに巨大化し、ケルヴィン卿自身がその生涯をかけて構築したニュートン物理学の補強理論を根底からくつがえすほどになってしまったのです。その暗雲とはほかでもない、【光の速度とその正体】だったのです。
そもそも光とは何であるのか。19世紀末の物理学においては、まだ明確な答えは出ていませんでした。音ならば、空気の振動であるから、空気を伝わってやってくる。波ならば水を伝わってやってくる。だが、光は、そのような媒体が何も存在しない真空の宇宙をちゃんと横切ってやってくる。
従って、光の正体は非常に小さいながら何らかの物理的実体を伴った粒子であるかもしれない。だが、一方において、光は回折(回り込み)や干渉(波の重なり合い)など、波に特有の現象も示す。やはり光は波であるとも思われる。
では、なぜ波が真空中を伝わることができるのだろうか? 実は真空と思われているものは、本当は真空ではなく、我々には感知できないが、光を伝える性質を持つ何らかの媒質がそこに存在するのかもしれない。この仮想の媒質を「エーテル」と呼びます。ちなみに、ケルヴィン卿は、このエーテル理論の第一人者でした。
光は宇宙のあらゆる方向から、しかも、どれほど遠方からも届く。ということは、エーテルはこの宇宙を完全に満たし、宇宙そのものと同じ広がりを持つことになる。つまり、エーテルはこの宇宙に対し、「絶対的に」静止しているはずだ。宇宙に対して絶対的に静止したエーテルの中を伝わってくる光の速度は、やはり宇宙のどこで測っても、固定された値をとるに違いない。
−−では、その宇宙の中を運動している観測者が光の速度を測ったら、どうなるのだろう?
たとえば、我々のいる地球は全宇宙に対して決して静止してはいない。地球は太陽の周囲を秒速30キロほどの速度で公転している。いわば、地球は常に秒速30キロのエーテルの向かい風を受け続けていることになる。
従って、光の速度がエーテルに対して固定されたものならば、そのエーテルに対して運動する地球上では、光の速さも地球の運動する速さ分だけ必ず変わってこなければならない。
地球が光源に向かって運動しているなら、光の速度は光速すなわち秒速30万キロプラス30万キロになるはずだし、光源から遠ざかっているなら、30万キロマイナス30万キロになる。なにしろ、ニュートン物理学では、すべての立場が相対的だから、光の速度といえども、光源と観測者側の相対速度に支配されて当然なのである。
そこで、この明白な理屈を実験的に証明し、ニュートン物理学の最終勝利を獲得しようとする試みが多くの研究者によってなされました。1881年、米のアルバート・マイケルソン(1852〜1931:物理学者。オングストロームの単位の制定に貢献。1907年ノーベル物理学賞受賞)とモーリーの「エーテルの風」測定実験は、注目の中で行われましたが、予想された結果は出ませんでした。
さらに、オランダのヘンドリック・A・ローレンツ(1853〜1928:物理学者。ノーベル賞受賞)とアイルランドのジョージ・フィッツジェラルド(1851〜1901:物理学者)は、突飛な説明を思いつきました。それは、『エーテルの中で運動する物体は、その運動方向にそって、{1−(V/C)2}の平方根 の割合で長さが縮む』 というもの。
この仮説に従えば、実際の光の速度がエーテルの風向きによって違っていたとしても、それに応じて光の経路の長さも縮むため、それを検出することはできない。おまけに、光の経路が縮んだということも我々は理解することができない。なぜなら、経路の長さを測るものさし自体も同じ割合で縮んでしまうからです。
こうして、エーテル仮説と観測事実との矛盾のつじつま合わせに誰もが腐心している一方で、ニュートン物理学におけるもう一つの大きな矛盾が既に発見されていたのでした。
それは、近代電磁気学の大成者として知られている、イギリスのジェームズ・クラーク・マックスウェル(1831〜1879:物理学者。電磁理論の確立、統計力学の成立に多大な貢献。1871年発表の『マックスウェルの悪魔』は有名)が、1861年に発表した、『電磁場の方程式』の中に含まれている【定数としての光速度】でした。
マックスウェルによれば、静止した電荷の周囲には、電気を伝える力の場、つまり、「電場」ができ、電荷が加速されると、その周囲には二次的に磁気の力の場である、「磁場」が生じる。そして、電磁波とは、電荷が振動することによってそこから放出される、電場の波と磁場の波が直角に交わった横波にほかならない。
ところが、真空で電磁波が伝わる速度を計算してみると、その速度は秒速約30万キロ、すなわち光の速さとぴったり一致するのです。そこでマックスウェルは、電磁波のうちで、たまたま人間の目に見える波長を持つのが光なのではないかという仮説をその年のうちに発表していました。しかし、それよりもここで重要なのは、すでにこの式が真空中の光の速さを定数「c」として含んでしまっていることだったのです。
これを言い換えれば、真空中の電磁波、つまり光の速度は、誰が、どんな立場から測ろうと、最初から「c」以外の値を取りようがない、ということなのです。すべての立場が相対的であるという、ニュートン物理学の大前提は、真空中の光速に対しては通用しない。
つまり、ここで決定的にニュートン物理学は矛盾を露呈しているわけなのだが、19世紀末の物理学者たちは、ニュートン物理学の大枠に縛られ、エーテル仮説に気を取られる余り、マックスウェルの研究の意味するところに誰も気付かなかった。
そこへ、すべての謎を解き明かす決定的なキーを携えて登場したのが、“我らがヒーロー” アインシュタインだったのです。
********
********* ********
1905年に『ドイツ物理学年報』第17巻に発表された論文「運動する物体の電磁気学」において、アインシュタインが初めて世に問うた新理論、すなわち【特殊相対性理論】は、次の2つの前提の上に成り立つものだった。
そのひとつは、『すべての慣性系は相対的である』という「相対性の原理」であり、もうひとつは、『すべての慣性系において、真空中の光速度は不変である』という【光速度不変原理】でした。
アインシュタインが決定的にそれまでの物理学からの飛躍を果たし得たのは、【光速度不変の原理】を採用したからでした。
つまり、光の速さは、エーテルに対してではなく、真空そのものに対して絶対なのです。彼の理論においては、誰が、どのような立場から測ろうとも、真空中では光の速さは秒速30万キロというただひとつの値しか取り得ないのです。なぜか?と訊くことは意味がない。それが真空の性質であり、光の性質なのだから。
アインシュタインの論文は、題名からもわかるように、どちらかといえばマックスウェルの電磁気学を直接引き継いだものであり、ごく自然に光速がガリレオ変換に対して不変であるという結論が導かれる。ちなみに、アインシュタインは、『ドイツ物理学年報』の同じ号に、
光の正体は、粒子と波の両方の性質を併せ持つ「光量子」である
という論文を発表し、光が真空中を伝播するという事実に対しても筋を通しています。
こうして、真空中での光速の不変性を認めたとき、相対性理論はニュートンの予定調和的な古典力学宇宙のイメージを根底からくつがえし始めたのでした。
まず、新しい宇宙像の特筆すべき性質は、この宇宙の絶対時間および絶対空間という概念を否定していることにありました。ニュートンの宇宙においては、すべての観測者の立場から独立して、この宇宙にはただひとつの絶対時間、絶対空間というものがあった。それに対し、アインシュタインの宇宙では、すべての観測者がそれぞれの立場において、独自の時間の流れ、空間の尺度をもつというのです。
例えば、よく知られた例として、
光速に対して充分大きな速度で飛行する宇宙船を考えてみましょう。この船の真ん中に電球がひとつあり、この電球のスイッチが入れられたとします。電球から発した光は、前後に同じ距離を進んで同時に宇宙船の前後の壁に到達します。宇宙船に乗っている人間にとって、これは当然のこと。
ところが、外の世界からこれを眺めている人間には、同じ現象がどう見えるでしょうか? 電球から光が発して、それが宇宙船の中を進んでいくわずかな時間のあいだにも、宇宙船は前へ進んでいます。
しかし、光の速度は、光速度不変の原理により、光源の運動にかかわりなく、空間そのものに対して一定である。従って、外から見ている人間にとって、まず光は接近してくる後ろの壁に達し、それから間をおいて前の壁に達することになります。
すなわち、宇宙船の中では「同時」として観測される現象が、宇宙船の外からは「同時ではない」ものとされてしまうのです。
こうして、光の速度の絶対性を基準にしたとき、「同時」という意味は崩壊する。誰も、同じ物理現象を観測する際に、同じ時間の尺度のなかでそれを捉えることはできません。この事実は、すべての物理学計測において、従来のニュートン物理学では考えられなかった奇妙な数多くの現象をもたらします。
先の例でいえば、複数の観測者が厳密に同調した時計を持ち、宇宙船の進行方向にそって同時に宇宙船の頭と尻尾の位置を測ったとき、宇宙船の長さは前後方向に、{1−(V/C)2}の平方根 の割合で縮んでいる。「縮んで見える」のではなく、実際に物理的に縮んでいるのです。つまり、ローレンツとフィッツジェラルドの結論は、前提は間違っていたけれども結果的には正しかったと言えるのです。
従って、相対性理論に基づく宇宙では、慣性系相互間の座標変換には、従来のガリレオ変換ではなく、この「ローレンツ短縮」を前提とした「ローレンツ変換」を導入しなければなりません。
また、同じ宇宙船の例で言えば、宇宙船の速度が速ければ速いほど、光が宇宙船の前後の壁に到達するのに要する時間が長くなることがわかる。時間の伸び率は、やはりローレンツ変換に従う。すなわち、大きな速度で運動する系においては、外部の系に比べて、同様に、{1−(V/C)2}の平方根 の割合で時間の進みか方が遅れるわけです。
さらに、相対性理論においては、質量という概念まで変わってしまいます。ニュートン物理学においては、運動する物体のもつエネルギーは、単に 質量×速度で表せたが、相対性理論ではこの速度の項をローレンツ変換で補正しなければなりません。そうすると、運動する物体の質量は光速に近づけば近づくほど大きくなり、光速に達すると質量は無限大になる、という結論が得られます。
従って、質量をもつ物体はいくら加速しても絶対に光速の壁を超えることはできないわけである。と、同時に、相対性理論では、質量とエネルギーが一体となった【質量エネルギー】という全く新しいエネルギーの概念が導入されたのでした。
このように、光速の絶対性という原理をてこに、アインシュタインは「絶対時間」という概念をひっくり返し、同時に「絶対空間」の概念をも葬り去った。
この宇宙において、唯一絶対の基準となるのは真空中における光の速さであり、光速の絶対性の前には、時間も空間も、まったく同じように観測者の立場に応じて伸びたり縮んだりするものでしかない。
すでにアインシュタインの宇宙では、時間と空間はそれまでのような別個の概念ではなく、「時空」という新しい四次元の連続体のなかにおける完全に対等な存在なのである。
こうして人間は、アインシュタインのおかげで、時間と空間の広がりである宇宙というものを正しく認識し、記述するための方法を遂に獲得したのでした。
*********(((((((((((((BOOK 2-01 了)))))))))))))*************
次回(第8回目)は、一般相対性理論のもたらした宇宙像 から、続けます。
《みんな 楽しんでるかなぁ お〜い! どうしてるぅ?》
−−−That's All for Today ! So
Long Everyone !
(では、本日は、ここまで。)
By
Dr. P
E-mail :
poesie@s5.dion.ne.jp
URL : http://poesie.hp.infoseek.co.jp/
この画面の一番上へ