宇宙論Turkey Seminar 第8回



       2000.5.14
Turkey Seminar2-02

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みなさん こんばんは。
Dr. Pの『Turkey Seminar』の時間がやってまいりました。

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((((((((((((BOOK2第2回))))))))))********* 

 昨日から お約束の 「達成感」篇 BOOK 2 : 現代宇宙論の萌芽
 −アインシュタインを味わおう− に入っています。

 初めて「宇宙論」(Cosmology)に接する方に、難解な BOOK 1の退屈さをはじめに 敢えてお送りしたのは、

 これからのBOOK 2のお話が 進む先の方向を予め提示することによって、迷子になる方を少なくしたかったのと、

 BOOK 1で頻出した専門的な用語や学説の説明を ストーリー立ての中で無理なく いくらか 楽しみを添えて できるかな という狙いが あってのことでした。
 勿論 ここから 始めてしまうと、先へ進むまで 講師の負担が大きすぎるという予感があったのも事実です。

 ま、いわば 先の展開の分かっている 忠臣蔵や 太閤記 を脚色していく 講師の楽チンさ と 聴講生のみなさんを 物語より 一歩でもサイエンスに 近付けたかったという 二つのコンセプトのなせる業と ご理解下され。

 BOOK 2より、ご参加の皆さん、長いストーリーの先を 少しだけ読んでしまいたいという、欲望に駆られたときは BOOK 1を 「あとがき」としてご利用下さると 良いかと思われます。

 では 本日も 張り切って まいりましょう。

 その前に チョットだけ。


    ***********((((((((((((((簡易掲示板))))))))))))))************

■関西オフ会参加のみなさんへ: 

    前回 東京での アイス・ブレークは、一次会4名+
    二次会4−1+1=4名と こじんまりとした規模でした。

    女性2名も混じって、電話参加が2名(女性)と華やいだ
    楽しい一時ではありましたが、もっと 沢山の方の顔や声
    があったら、よかったね 

    と、終わりの方では 少し 寂しく感じたのも 偽らざる
    心境。

    そうした反省にたって、今回は、飲んだり食べたりもいい
    けれど、まずは、都合のつく時間だけでも、ちょこっとずつ
    でも できるだけ 大勢の方の交流が 実現できることを
    まず 一番に期待したいと 思っています。

    それから、意外に嬉しかったのが、出席は叶わない方でも
    電話参加してくれたときです。

    ポエジーは きょうこ さんとは お話出来たけれど、
    RICEさんとは、気の利かない人のお陰で お声を聞くことは
    叶わなかった。でも、その場は随分と盛り上がりました。

■関西圏以外の方へ:

    私もタイミングが合えば、電話で皆さんのお声を聞いて
    みたいなと、思っている一人ですが、ここを読まれた方、
    関西圏以外の方も 都合がつく方 電話参加してみたら
    如何でしょう。きっと、みなさん喜ばれること間違いなし!

    個人的には、同年代の 坂本っちゃんや、ひげさんを
    からかってみたい気分。 chomicatさんの猫なで声(?)、
    頓吉さんて ほんまに とんまなのかしらん(ごめんなさい
    冗句です じょーく)、他にも 沢山集まって楽しんで下さ
    いね。

■管理人さんへ: 差し出がましいことをしちょります。
           余計な行為、御迷惑の節は、例の
           ♪「ジャアァ〜ン!」を鳴らして下さい。
           即、退場します。

■Princessきょうこ様へ: 頭 関係ありましぇ〜ん。
                静かにしてなくても 構いましぇ〜ん。
                分かったフリも 不要でぇ〜す。
                少し、面白くなり始めた処です。
           『まる+きょうこ』 ((((ひっし!コーナー))))
                も作りまぁ〜す。だ・か・ら………!?

  *******((((((((((((Poesie@Kichijoji))))))))))********* 

                         《イントロ 了》


☆★☆ それでは、第回目の授業 開講します。起立っ 礼ぃ 着服(コラ!?)

  *****Turkey Seminar*****#008*****2000.5.14*****Dr. P*****

          
M33銀河       M66銀河       M74銀河        M82銀河  
さんかく座 250万光年  しし座 2700万光年  うお座 3700万光年  おおぐま座 1400万光年

【2-02】 BOOK 2 : 現代宇宙論の萌芽
 Sheet 8


  厳密に言えば、前回までの話は、相対性理論のなかのごく特殊な応用例について述べたにすぎません。つまり、慣性系相互間でのローレンツ変換だけが問題となっていたわけです。

 しかし、実際のところ、この宇宙には本当の慣性系−(幾何学的に)厳密な等速直線運動を行う系などというものは存在するのだろうか? 少なくとも、地球上ではあり得ません。地球は丸いから、その上を運動するものは、どんなに真っ直ぐ進んでいるつもりでも、否応なしに曲線運動になるはず。

 地球の周回軌道上に出ても、結局はその物体が軌道上でぐるぐる回転運動を続けていることに変わりはありません。地球の引力を振り切れば、太陽の引力が待っている。太陽の引力を振り切れば銀河の引力が待っている。

 この宇宙のなかでは、結局どこまで行っても、宇宙のなかに満ち溢れる引力源の影響から逃れることはできません。つまり、慣性系とは、事実上この宇宙には存在しないと言ってもいい、きわめて特殊な条件ということになります。そのために、ここまでの相対性理論は【特殊相対性理論】と呼ばれます。

 だが、この【特殊相対性理論】が宇宙のどこでも通用する普遍的な理論となるためには、加速度のあるところ、つまり天体の引力の影響下でも通用できるように理論を拡張しなければなりません。すなわち、【一般相対性理論】の確立がアインシュタインの次の目標となったのです。

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 【特殊相対性理論】が、実際にはマックスウェルの電磁場理論の影響を大きく受けていたのに対して、ここから先はまったく前人未踏の領域でした。その世界へ踏み込むにあたって、アインシュタインがまず採用した新しい理論のための前提は二つありました。

 その一つは、「すべての観測者の立場は相対的である」という、拡張された「相対性の原理」であり、もう一つは、「物体の持つ慣性質量と重力質量の値は等しい」という「等価原理」でした。

 とりわけ、【一般相対性理論】にとって重要だったのは、後者の「等価原理」の方でした。

 「等価原理」とは、簡単に言いますと、重いものには、たくさん重力が働き、軽いものには、少ししか重力が働かない、ということ。これは、大小二つの錘りを高い所から同時に落としたという、有名なガリレイのピサの斜塔の実験(伝説らしいが)以来、誰もが当然のこととして顧みることもない科学上の常識でした。

 ところが、考えてみると、物体の持つ本来の物質としての量である慣性質量と、そこに働く天体重力場の量が同じであるべき必然性は何もないのです。アインシュタインが天才と言われる所以は、この一見何でもない事実のなかに、宇宙の一大真理が隠されていることを見抜き、それを法則化したことにあります。

 宇宙空間に浮かんでいる時、それに毎秒約9.8メートル、つまり地上における重力加速度と同じ加速度(1G)を与えるのに50キログラムの推力を要する物体は、地上でその重さを測った時、やはり50キログラムです。この二つがぴったり一致するのは、単なる偶然の結果ではありません。実は、慣性質量と重力質量は全く同じものなのです。言い換えれば、重力と加速度は全く同じものなのです。

 では、加速度=重力は、時空の構造にどのような影響を及ぼすのだろうか?
これを次のような思考実験で確認してみましょう。

 ここに、ワイヤーの切れたエレベーターがあるとします。エレベーターは引力を受け続けるから、一定の加速度で落下していまきす。このエレベーターの一方の壁に電球が取り付けてあり、落下中にそのスイッチを入れたとします。

 エレベーターと同時に落下している人間から見れば、電球から出た光はそのまま真っ直ぐにエレベーターの中を横切って、反対側の壁に到達するように見えるはずです。

 しかし、これを外から観測する人間にとっては、光がエレベーターの中を横切るわずかな時間の間にも、エレベーターは速度を増しつつ落下しているわけだから、光の描く本当の軌跡は、下向きにカーブしていることになります。加速度が大きくなればなるほど、カーブも当然きつくなっていきます。

 光は空間の中を直進する性質を持つはずなのに、加速度のある場所では、真っ直ぐ進んでいるはずの光の軌跡が、いつの間にか曲がっている。すなわち、加速度=重力は、「空間を曲げる」性質を持つ、ということになります。

 これが、アインシュタインの到達した重力の正体についての全く新しい認識だったのです。ニュートン物理学においては、重力とは万有引力の源であり、距離の二乗に反比例して天体間に作用する力であるが、それが空間そのものの性質まで変えてしまうことはない。

これに対してアインシュタインは、重力を、【空間を曲げる力】−より正確に言えば、空間と表裏一体のものである時間をもひっくるめて曲げてしまう、【時空の曲がり】としての新しい「場」と定義したわけです。

        ****************)))))))()()() 光は曲がる 1) ()()()((((((***************

    恒星から来る光は、太陽のそばを通るとき、太陽の引力に引かれるよう
    にその進行方向を変えます。ところが我々は、光が真っ直ぐ伝播するよう
    に思っていますから、素人の観測では、恒星の位置を違ったところに推定
    してしまいがちです。


   ****************)))))))()()() 光は曲がる 2) ()()()((((((****************

    1919年の日食の時、太陽の後ろにヒアデス星団があり、エディントン卿が
    その写真を撮ったところ、像のズレがあり、太陽のそばを通ってくる光が
    曲がるという結果を得ました。この一般相対性理論の検証の成功が、
    インシュタインを一躍世界的に有名にしたのでした。


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 慣性系どうしでの座標変換のみを対象とする【特殊相対性理論】において見出された各種の奇妙な現象を、加速度のある系にまで拡張することは、直感的にはそれほど難しい作業ではありません。

 加速度のある系においても、その一瞬一瞬を取り出してみれば、それぞれの瞬間は、等速運動と見なし得るから、後は単にその積み重ねといえます。従って、加速運動をしている物体にもやはり長さの短縮や時間の遅れは起こります。強力な重力場の中に入ったものを外から観測すると、その時間の流れは実際に外部の世界よりずっと遅れているのです。

 1916年、アインシュタインは、これらの研究成果をまとめて、『一般相対性理論の基礎』と題する論文を発表。彼がここで提示した二つの方程式、すなわち、重力による時空の曲がりを記述する「重力場の方程式」と、その時空の曲がりの中における物体の運動を記述する「アインシュタインの運動方程式」こそ、今日、すべての宇宙論を支配するもっともベーシックな「宇宙を記述する道具」となったのでした。

 アインシュタインが、自らこの成果を用いて、宇宙の構造を解き明かす試みに着手したのは、翌1917年のことでした。

 その時まで、一般に認められていた宇宙モデルは、ニュートンによって考案された「無限宇宙モデル」と呼ばれるものでした。つまり、この宇宙は、すべての天体が相互に万有引力を及ぼし合いながら、どこまでも一様な密度で無限のかなたまで広がっている、というもの。

 だが、本当に宇宙が無限大の広がりをもつものなら、宇宙のどの特定の一点も、その周囲を無限個の天体によって取り巻かれ、そこに降り注ぐ光のエネルギーも無限になるだろう。また、同じように、宇宙のどの一点をとっても、そこは無限の質量をもつ無限に大きい球の上の一点に等しいことになり、その場所における重力も無限大になってしまいます。

 そもそも、すべての天体が万有引力によって引き合っているのなら、いつかは連鎖反応的にすべての天体が一つの塊に収縮していって宇宙は潰れてしまいます。従って、本当の宇宙は必ず有限の広がりしかもたないに違いない。

 こう考えたアインシュタインは、まず、問題を単純化するため、次の二つの前提を導入したのでした。

 その一つは、「宇宙は均質で等方的である」、つまり、宇宙は基本的にはどの一部分を取り出しても他の部分とは変わらないという【宇宙原理】。もし、宇宙に部分的な密度の偏りがあれば、宇宙はやがてその部分を中心に収縮していくはずだからという考えです。

 もう一つは、「宇宙は全体として静止しており、その平均密度は時間によって変化しない」というものでした。

 この二つを前提に、アインシュタインは宇宙の平均密度を1立方メートルにつき、陽子10個というレベルに定めて、宇宙全体に場の方程式をあてはめてみたが、実際の観測に即して最も妥当と思われるこの密度でも、まだ宇宙は重すぎ、自分自身の質量に耐えかねて潰れてしまうことがわかってきました。

 宇宙のすべての質量が静止し、安定した状態で、なおかつ、相互の引力によって潰れずにすむためには、何かそこに特別な力−物質どうしがはねつけ合う「斥力(せきりょく)」が働いていると考えるしかなくなりました。

 そこでアインシュタインが場の方程式に導入したのが、【宇宙項Λ(ラムダ)】と呼ばれるものでした。これは物質相互間に働く斥力を表すもので、万有引力とは逆に、この力は遠くに存在するものに対して、より大きく作用する奇妙な性質をもつとしました。

 この力を付け加えることによって、初めてアインシュタインの宇宙モデルは、それ自体矛盾を持たないものとして完成したのです。ここで彼が示した宇宙像とは、次のようなものでした。

 この宇宙は、それ自身の作り出す重力場によって時空が「閉じた」有限の大きさをもつ世界である。宇宙の平均密度が先に述べたような値であったとすると、宇宙の「半径」はおよそ300億年ほどになる。
 だが、この湾曲した宇宙にはどこにも中心はなく、果てなどというものもない。ちょうど、二次元の世界で考えると、球体の上には特定の中心など存在しないのと同じである。我々が三次元の目から見ると、球の中心と呼ぶべき点は、ちゃんと球の「内部」に存在するが、球の「表面」しか認識できない二次元の住人には、そもそも球の「中心」という概念を理解することはできないだろう。彼らは球の上をどこまでもたどって行くことができるが、決してその「果て」に辿り着くことはない。


 この宇宙における我々の存在は、まさしく球体の上の二次元の人間と同じである。たとえ、我々がはるか遠くに見える宇宙の果てを目指して真っ直ぐ進んで行ったとしても、空間そのものが自分自身の重力によって曲がっているため、いつかそのコースは大きく宇宙を一巡して元の場所に帰ってきてしまう。

 『宇宙は有限だが果てがない』というアインシュタインの有名な結論は、このことを指すのです。

 BOOK 1で説明したように、今日の知識に照らせば、アインシュタインの提示したこの宇宙モデルは、まだまだあまりにも単純で未熟なものです。だが、これこそは間違いなく、今日のすべての宇宙モデルの原点であり、「重力場によって湾曲した時空」という、まったく新しい概念に基づいて組み立てられた最初の宇宙像だったのです。

 すべては、ここから始まったのです。

 *********(((((((((((((BOOK 2-02 了)))))))))))))**********

次回(第回目)は、いよいよ ビッグバンのシナリオ に突入です。
BOOK 1で 理解が難しかった個所が クリア〜ド! になることでしょう。
乞う ご期待! 

    《みんな 楽しみ始めてるかなぁ お〜い! どんな感じぃ?》

−−−That's All for Today ! So Long Everyone !

   (では、本日は、ここまで。)

By Dr. P
   
E-mail : poesie@s5.dion.ne.jp
       URL : http://poesie.hp.infoseek.co.jp/

         
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