宇宙論Turkey Seminar 第9回



       2000.5.31
Turkey Seminar2-03

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みなさん こんばんは。
Dr. Pの『Turkey Seminar』の時間がやってまいりました。

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((((((((((((BOOK2第3回))))))))))********* 

    半月のお休みでした。
     お約束の 「達成感」篇 BOOK 2現代宇宙論の萌芽
     −アインシュタインを味わおう− に入っています。

    時間が経っていますので、スレッドは新たに起こしました。

  ((((((((((((前回#8の冒頭より 一部引用して再開します。))))))))))))

 初めて「宇宙論」(Cosmology)に接する方に、難解な BOOK 1の退屈さをはじめに 敢えてお送りしたのは、

 これからのBOOK 2のお話が 進む先の方向を予め提示することによって、迷子になる方を少なくしたかったのと、

 BOOK 1で頻出した専門的な用語や学説の説明を ストーリー立ての中で無理なくいくらか 楽しみを添えて できるかな という狙いが あってのことでした。 勿論 ここから 始めてしまうと、先へ進むまで 講師の負担が大きすぎるという予感があったのも事実です。

 ま、いわば 先の展開の分かっている 忠臣蔵や 太閤記 を脚色していく 講師の楽チンさ と 聴講生のみなさんを 物語より 一歩でもサイエンスに 近付けたかったという 二つのコンセプトのなせる業と ご理解下され。

 BOOK 2より、ご参加の皆さん、長いストーリーの先を 少しだけ読んでしまいたいという、欲望に駆られたときは BOOK 1を 「あとがき」としてご利用下さると 良いかと思われます。

 では 本日も 張り切って まいりましょう。

 その前に チョットだけ。

    ***********((((((((((((((簡易掲示板))))))))))))))************

■関西オフ会参加のみなさんへ: 

    楽しくて ご盛会  ご正解でしたね。
    特に 単身 盛り上げ役を 買って出た まるちゃん
    あなたの勇気に 敬意を表します。ご苦労様でした。

    決して 『出たがり 話したがり 会いたがり』
    ……ではない 貴女の 心根 参加者の男性陣に
       正しく 理解していただけたかな?

       とんちんかんな 坊やも おったげな? 

    ニューカマーも増えたし、次回は さらに 多くのメンバ
    ーが参加して、ますます 親交を深められんことを
    祈りおきます。

■この半月の間に 入られた 新人の皆さんへ:

       こんな処からで 手抜きですが、まとめて
       ウェルカム・トゥ [from50]Mailing List!

       殆ど お名前 判別できていません。
       どんどん 露出してきて 下さい。
       Dr. Pとそのファミリーは まめな挨拶は苦手。
       でも、好奇心の強い方、ひねくれていない方、
       そして、「夢」を語れる方は 決して 見逃し
       ません。必ずや 語り合えると信じます。
       モラールだけかな? 注意するのは。

□Dr. Pファミリーの紹介:
  ・家長: ポエ爺………いま、江ノ島で護摩を焚いています。
                密教の行者にして 時に 陰陽師。
  ・長男: Dr. P ………ち・た・ま(地球)にジャスト・アライブド。
                無難な サイエンティスト。 
  ・次男: ポエジー……いちお 常識人。ちたまに永住決意。
                趣味は忍術。山伏のまねも好き。
                昔、役の行者と 親交があった様。
                今、少し 青春してるみたいだな。
  ・三男: 放浪詩人……めったに 帰宅しません。
                どこをほっつき歩いているやら…
                シルクロードに定宿があるらしい。
  ・末っ子:女教師………ニューハーフとか言うらしい。今は。
                兄たちが 競ってデートしたがる程
                の美形。ココロもき・れ・い。
                先日、葛城山から 木星圏に戻った
                ところ。そう、あのガニメデに。

  ●○ 種族:『火の鳥』一族 みんな 死にません。
  ●○ ち・た・ま には、1万年前に 初めて 飛来。
      以来、母船のある木星の衛星ガニメデと ちたまを
      行ったり来たりしています。ほぼ 毎世紀見てます。
  ●○ 直レス ご希望の時 5人の誰宛か 書いてね。
      無指定の時は、し・ら・な・い 保証できません。

■Princessきょうこ様へ:
       『まる+きょうこ』 ((((ひっし!コーナー))))
       は 取りやめます。まる 見てくんないし……。

■神人mohsanへ:
       『精神世界』 順調に進んでいるみたいですね。
       やっと、こうした時間が取れるように なりました
       ので、後ほど じっくりと 拝見させて下さいね。
            《ごめんよ 全然見とらんのよ まだ》
       どんさんとかとも 活発な 談義が 始まっている
       んでしたっけ? その辺も 後ほど 拝見 拝見。 


  *******((((((((((((Poesie@Kichijoji))))))))))********* 

                         《イントロ 了》


☆★☆ それでは、第回目の授業 開講します。起立っ 礼ぃ 着服(コラ!?)

  *****Turkey Seminar*****#009*****2000.5.31*****Dr. P*****

          
M57星雲       M76星雲       NGC246星雲   NGC2392星雲  
こと座「リング星雲」    ペルセウス座        くじら座        ふたご座「エスキモー星雲」
2600光年          8000光年          1300光年      1300光年

【2-03】 BOOK 2 : 現代宇宙論の萌芽
 Sheet 9


  アインシュタインの提案した最初の宇宙モデルの鍵は、宇宙項Λ(ラムダ)の存在。これは実際のところ、観測事実を説明するために、後から付け足された理論の枝葉でしかなく、本来のアインシュタイン的宇宙観−事実はもっとも単純なものであるべきだ、という信念−とは大きく相反するものでした。

 Λとは非常に扱いにくい定数で、Λが必要数値よりほんのわずかでも大きいか小さいかすれば、宇宙は絶対に静止してはおられず、万有斥力によって押し拡げられていくか、収縮して一個の塊になってしまうかのどちらか。

 それでも、アインシュタインがΛを捨てることができなかった訳は、この宇宙項Λで補正したときのみ、この「静止した」宇宙に物質が均質に散らばっているという観測事実が説明され、場の方程式も完全なものとなるからでした。

 Λが正の値をとっていて、この宇宙に物質が存在しないという前提での場の方程式を解くと、解がなくなってしまいます。つまり、もはや物質の均質かつ静的な分布という「事実」と、Λの存在は、相互に相手がいないと困る、というところまで固く結びついていたとも言えます。


 ところが、アインシュタインのこのモデルは、発表されたその年のうちに、早くも理論的不備を指摘されることになりました。

 1917年、オランダのド・ジッター−−BOOK1でご紹介済みですが、今回はオランダ読みのウィレム・デ・シッテルで行きましょう。《どじった!よりはシッテル? の方がいいじゃん?》−−は、本当にΛが正で物質が存在しないとき、場の方程式に解が存在しないかどうかを自分なりのアプローチで試してみたのです。

 その結果、驚くべきことに、アインシュタインがないと断言していた解が見つかってしまったのです。この解によれば、空っぽの宇宙は正の斥力だけを持ち、時空そのものがどんどん膨張していくという奇妙な結論が導かれるのです。

 つまり、静止した宇宙というモデルを成立させるために導入された宇宙項ラムダΛが、とめどなく膨張を続ける宇宙という予想外のモデルをもたらしてしまったのです。

 《丁度、ダイエットのためと思って食べた栄養食品があまりに美味なのでついつい食べすぎ食べ続け大食いにいたって、かえって太ってしまった、というような展開です−−これならご理解たまわれますか?
まるさま。》


 デ・シッテルの新しいモデルは、やがて1923年、ソ連の数学者アレクサンドル・フリードマン《BOOK1参照》に引き継がれて、大発見への道をもたらすことになったのです。

 アインシュタインやデ・シッテルの採用した宇宙項Λは、結局のところ、永劫の過去から永劫の未来にわたって、この宇宙はずっとこのまま、この大きさ・この密度のまま静止していたという、ひとつの思い込みの上に成り立ったものにすぎなかったといえます。

 しかし、もし、宇宙の密度が本当は変化するものだったとしたら、Λという項目は、かつてアインシュタインがエーテル仮説を葬り去ったように、無用のものとなってしまわないだろうか?

 密度が変化する、ということは、つまり宇宙が膨張または収縮している、ということであり、この宇宙には「始まり」と「終わり」があるという認識へと続いていくことになります。

 宇宙が現に存在する以上、その始まりと終わりがないと断定するよりは、ある、と考えた方が自然です。

 そこで、フリードマンは、Λを外した状態で場の方程式を宇宙全体ににあてはめ、そこに2つの解があることを発見したのです。

 これが、現在宇宙論の本に必ず登場する「閉じた脈動宇宙」と「開いた膨張宇宙」というフリードマンの得たモデルなのです。
 フリードマンのモデルの前提は、この宇宙の密度が時間とともに変化する、という
ことと、宇宙の質量がある限度より大きいか小さいか、という2点に集約されます。


 もし、宇宙が膨張しており、かつ、宇宙の質量が充分に大きいなら、いずれ宇宙は自分自身の重力によってその膨張にブレーキをかけられ、ある時点で膨張から収縮に転じるだろう。

 収縮に入った宇宙は時間とともに、急速に密度を増していき、温度も上昇して、内圧が高まっていきます。ついにある時点で内圧が重力による収縮をもはね返すほど高まると、今度は再び膨張のサイクルが始まります。

 こうして、宇宙は膨張と収縮のサイクルを果てしなく繰り返すことになる。この場合、宇宙の空間曲率《もう、おなじみですね?》プラス、内側に閉じている訳です。

 逆に、宇宙の質量が小さすぎたら、宇宙はどこまでも果てしなく膨張を続け、その密度は小さくなり続けるだろう。この場合、空間曲率は0《ゼロ》である場合とマイナスである場合が考えられます。

 曲率がのとき、宇宙はただ平坦に、距離に比例する速度で直線的に膨張していくだけですが、もし曲率がマイナスだと、距離が大きくなればなるほど速度の増加率も大きくなり、宇宙は前者の場合より急速に希薄になっていくはずです。

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 この結論を知ったアインシュタインは、当初このフリードマンの説に懐疑的でしたが、間もなくその説の合理性を正しく認め、1923年には、宇宙項Λを撤回する論文を発表したのです。《この態度、アイちゃん やっぱり偉いね なかなか できないね 凡人には》

 そして、これと相前後して、この宇宙が、実は静止宇宙ではないという新たな観測事実が次々にもたらされ始めたのです。

 アメリカのローウェル天文台のV・スライファーが1912年に、遠方の銀河のなかに、ドップラー効果による光の青方偏移や赤方偏移を示すものがあることに気づいていたのも、そうした発見の最初のものです。


 ドップラー効果とは、遠方から伝わってくる波動の波長が、観測者と波の源のあいだの相対的運動によって、長く引き伸ばされたり、短く縮んだりする現象のことです。

 たとえば、遠方の天体が大きな速度で観測者から遠ざかっていく場合は、光の波長が引き伸ばされて実際の色よりも赤く見えます。これが赤方偏移。逆に、近づいてくる場合は光の波長が詰まって実際より青く見えます。これが青方偏移

 そのため特定の元素から出る特定の波長の光を測ってやれば、その天体が相対的にどのくらいの速度で運動しているかが割り出せるのです。


 この問題に決定的な進展がもたらされたのが、1925年。米国のウィルソン山天文台エドウィン・ハッブルが、ウィルソン山の2.5メートル鏡を用いて全天の銀河を観測した結果、遠方の銀河がことごとく赤方偏移を示すことを見出したのです。
     《このことに触れたBOOK1の箇所 再読 たまわりたく》

 距離と赤方偏移の大きさの間に一定の相関があることが明らかになったのです。すなわち、遠くの銀河ほど大きな速度で遠ざかるという、膨張宇宙モデルの正しさを立証する決定的証拠を彼はつかんだことになるのです。

 この比例定数を『ハッブル定数』と呼び、今日でも銀河系外天文学の最も重要な定数とされています。

 BOOK1をお読みの方は、すでに お分かりですね。この発見によりビッグバン宇宙論に道が開けることになったのです。


 *********(((((((((((((BOOK 2-03 了)))))))))))))**********

 次回(第10回目)は おなじみガモフの「αβγ理論」の“火の玉”宇宙モデル
ビッグバン0.01秒の謎、そして、いつだったかご質問がありました定常宇宙論−
ホイルの「C場」とは?−など

乞う ご期待! 

     《みんな 楽しんでるかなぁ お〜い! どうしてるぅ?》
   
−−−
That's All for Today ! So Long Everyone !

   (では、本日は、ここまで。)

By Dr. P
   
E-mail : poesie@s5.dion.ne.jp
       URL : http://poesie.hp.infoseek.co.jp/

         
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