宇宙論Turkey Seminar 第12回



       2000.7.3
Turkey Seminar2-06

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みなさん こんばんは。
Dr. Pの『Turkey Seminar』の時間がやってまいりました。

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((((((((((((BOOK2第6回))))))))))********* 

   前回講座から、1ヶ月以上もご無沙汰してしまいましたね。
   この[from50]では私の母星の木星とほぼ同じ時間軸で情報が流れて
   いますから、一般ち・た・ま時間に置き換えると、ほぼ1年ほど経った
   感じですね。

   私をご記憶の方よりも、最早New-Comerの方の数の方が多いのかな
   とも思っていますが、MUSEさんや一部の方が続きを待たれていると
   信じて再開です。

   では、例によってイントロから

   Here we go !!!!!!!!!!  《キャハ!懐かしいゼ。。。》 

    ***********(((((((((((((((((《イントロ》)))))))))))))))))************
   
   Just like you smile baby, And back to my heart baby
     泣けるだけ泣き 心 休めて

     Just like you smile baby, And back to my heart baby
     いつもの笑顔 見せて欲しいから

     Just like you smile baby, And back to my heart baby
     トキメク恋も 切ない恋も

     Just like you smile baby, And back to my heart baby
    すべての思いは みんな君にある

     Just like you smile baby, And back to my heart baby
    雲のうしろに 太陽はある

     Just like you smile baby, And back to my heart baby
    きっとあるから あきらめないでいて

     Just like you smile baby, And back to my heart baby
    うまく言えないけれど 信じて

     Just like you smile baby, And back to my heart baby
    明日が君を 探しに くる前に  


        −−−Just Like You Smile Baby by Mai Kuraki

   ***********((((((((((((((《イントロ 了》))))))))))))))************



☆★☆ それでは、第12回目の授業 開講します。起立っ 礼ぃ 着服(コラ!?)

  *****Turkey Seminar*****#012*****2000.7.3*****Dr. P*****

          
NGC520銀河    NGC891銀河    NGC908銀河    NGC1097銀河  

【2-06】 BOOK 2 : 現代宇宙論の萌芽
 Sheet 12


 前回のラスト:

 ここで、論争は二つの科学的信念の不毛の堂々巡りに陥ってしまいます。アインシュタインは、死ぬまでコペンハーゲン解釈に基づく世界認識を受け入れることなく、その信念を【神はダイスを振りたまわず】という言葉に託して繰り返し表明し続けました。

 一方、ボーアの立場も決定的な勝利を収めたというにはほど遠く、多くの研究者は近年まで最終的態度を内心決めかねていたと思われます。

 この状況に、ついに突破口が開かれたのは1964年のこと。この年、北アイルランド出身の物理学者ジョン・スチュアート・ベルは、「観測に対して独立した局所的実在」というアインシュタインの信念を決定的に否定する方法を発見したのでした。

 −−−−本日は、ここから 続きます。

 ベルが考案したのは、EPR実験の一種の改良型を用いた思考実験だった。


 まず、一つの粒子が崩壊して反対方向に二つの光子を放出したとする。

 放出された光子は、波として見た場合ただ一つの平面の上で波を描く。

 したがって、光のコースの先に偏光ガラスが置いてあった場合、波の平面とガラスの分子的なスリットの傾きが完全に一致していたときだけ光は偏光ガラスを透過する。

 逆方向に飛び出す光子の描く波は、まったく同じ平面上にあるため、一方の光子がある角度に傾けた偏光ガラスを透過した場合、もう一方でも、同じ角度に傾けた偏光ガラスを光は必ず透過する。


 傾きが同じなら、一方のガラスを光が透過したときもう一方も透過する率は100%である。次に、一方の偏光ガラスを90度回転させたら両方同時に光が透過する率は0%になる。


 では、もし二枚の偏光ガラスの傾きに一定の差をつけたらどうなるだろうか

 光の描く波の傾きは毎回まったくランダムだから、場合によっては一方のガラスのみ光が通過し、もう一方は通過しないなどという場合もあるだろう。そして、このとき、二枚のガラスのどちらを基準にしても、もう一枚のガラスが光を透過しない確率は同じになる。

 だが、今度はさらに、どちらが基準というわけでもなく、ただでたらめに二枚のガラスの傾きを変えて行ったらこの確率はどう変わるだろうか。


 どちらか一方が計測の基準となっていれば、その基準に食い違う相手側の「誤差」がすなわち最初の場合の同じ確率になる。

 だが、どちらもでたらめに角度を変えてしまったのでは、どちらもが「誤差」を含むことになる。

 だから、場合によっては、どっちも「誤差」によって光を通してしまう「二重誤差」が起こり、結果としてこのときには誤差が消えてしまうことも必ずある。従って、この場合、どちらか一方を基準にした統計よりも必ず誤差の数は見かけ上少なくなる。

 これは、局所的実在という我々の(アインシュタインの)常識−−つまり、それぞれの光子は完全に独立した実体であり、二つの偏光ガラスはそれぞれまったく連絡をもたず、得体の知れない遠隔作用など存在しない、という認識からストレートに出てくる結論である。


 ところが、量子力学の前提を受け入れたうえで、この実験における誤差の出現確率を計算してみた結果、ある条件下では、この誤差が予測されるものより明らかに有意の範囲で大きくなることが、ベルの計算によって明らかになったのである。

 さらに、パリ大学理論・応用光学研究所のアラン・アスペ、カリフォルニア大学ローレンス・バークレー研究所のジョン・クラウザーらにより、実験によっても「局所的実在」という前提に基づく予測を覆すデータが集められた


 この結果が意味するのは、アインシュタインの信奉する局所的実在という概念の決定的な敗北だった。それぞれの粒子は孤立した実体であり、遠く離れた場所で二つの粒子が「共同謀議」的にふるまうことなどあり得ないとするアインシュタインの確信は、ここにとどめを刺されたのである

 もっとわかりやすく言うと、原理的には

私が月を眺め、月がそこにあることを認識したときにのみ、月の存在は事実となる

という世界こそが、本当の世界であることがわかったのである。


●人間原理宇宙論の展開

 この宇宙において観測されるすべての事象は、観測者自身の意志が生み出したものにほかならない−−このような世界観は、哲学的には唯物論の対極に存在する唯心論の典型として古くから知られていたものである。だが、今や現代宇宙論の広大な視野の一角に、この驚くべき認識はしっかりと根をおろし、多くの研究者が、さまざまなレベルでこのような世界観に基づいた新しい宇宙モデル、あるいは宇宙の存在そのものに対する新たな視点を構築しつつある。


 これらの字宙論を総称して我々は「人間原理宇宙論」と呼ぶ。


 現代的な意味での人間原理宇宙論の基礎が築かれたのは、1957年、すなわち、まだアインシュタインとボーアの論争に決着がつく以前のことだった。この年、米プリンストン大学のロバート・ディッケ1916〜、アメリカの物理学者》は、「なぜ宇宙の年齢が160億年なのか?」という、一見無意味な、突っ拍子もない質問に答えることのできるひとつの解答を得たのである。


 すなわち、「この宇宙が160億年という年齢になるのは、それ以外の値をとりようがないからだ。なぜなら、我々知性をもつ観測者が宇宙の中に生まれ、宇宙を見回し、その年齢を推定するのに必要な宇宙の内部構造の進化にそれだけの時間がかかったからだ」というのがディッケの結論だった。


 彼がこのような一見奇妙な思索の道に踏み込んだのは、ある先駆者の重要な研究を彼が引き継いだからである。その先駆者とは、反陽子という概念の提唱者として有名なイギリスの物理学者、ポール・ディラック1902〜1984、イギリスの物理学者。相対論的量子力学の確立者。1939年ノーベル物理学賞》だった。


 1937年、彼は、宇宙のどこででも普遍的に通用する単位のシステムを組み立てようと考え、字宙のどこに行っても変わらない、もっとも基本的な物理定数をいくつか選び出した。

 すると、そこには、なぜか繰り返し奇妙な特定の数字が現われるのである

 たとえば、宇宙でもっとも基本的な力である重力と電磁気力のそれぞれの定数を比較してみると、細かい係数の違いを除けば、電磁気力の強さは重力の10の40乗倍になる。

 次に、時間の基本単位として、陽子の半径を光が横切るのに要する時間を選び、これを字宙の年齢にくらべると、現在の宇宙の年齢はまたも単位時間の10の40乗倍になる。

 さらに、この宇宙に存在する核子の数は10の80乗倍、すなわち10の40乗倍の二乗になる。


 このように、宇宙の構造に関する基本的な数字を集めていると、とても偶然とは思えない頻度で魔法のキー・ナンバー10の40乗」が姿を現わす。では、もしこれが偶然などではなく、この宇宙の構造を本当に決定する、ある未知のシステムに基づく定数であったとしたらどうだろう。

 すなわち、この宇宙は10の40乗という数字でくくられた物理定数の関係を常に維持するようにもともとできていると考えるのである。しかし、そうすると、さらに次のような事実が自動的に浮かび上がってくる。

 宇宙はこうしているあいだにも刻一刻と年齢をかさね、基本時間単位と宇宙年齢との比率は常に変化していく。だとすれば、その比率の変化に合わせて重力と電磁気力の比率、字宙の中の核子の数なども同じぺ−スで変化していなければならない。



 これが、世に言うディラックの「大数仮説」と呼ばれるものである。結局、ディラックの着想は、何人かの熱心なシンパを獲得はしたが、物理学的にそれを証明する方法がまったくないままいつの間にか忘れ去られてしまった。しかし、ディッケはこの奇妙だが魅力的な仮説を忘れることのできなかったひとりだった。

 
ディラックの言うように、今現在の時点で、宇宙の基本的な物理定数が10の40乗倍の関係を相互にもつならば、我々人類は、まさにすべての物理定数が10の40乗という数字でくくられる、宇宙の歴史のなかでまたとないその時代に現われ、その事実に気づいたことになる。これは果たして偶然の出来事なのだろうか?


 それとも、10の40乗の時代に我々が宇宙に居合わせたことに何か意味があるのだろうか?



 こう考えていくうちに、ディッケは、人間が宇宙の「今」に居合わせた本当の理由を見出したのである。


 これは、それまでの宇宙論が拠って立つ方法論を180度ひっくり返す、新しいアプローチの誕生でもあった。

 これまでのすべての宇宙論は、まず宇宙を観測し、現在の宇宙を支配する物理法則を割りだし、さらに、宇宙の現在の環境を可能にするような宇宙の初期条件を求めて宇宙の歴史をさかのぼっていくという方法をとっていた。

 つまり、それは、宇宙の歴史の解明作業であり、言ってみれば宇宙の内部史の記述にすぎない。そこでは、宇宙が存在するということはすでに一個の前提でしかなく、宇宙の初期条件も宇宙に既存のものとしてどこからか与えられただけのものである。

なぜ宇宙は存在するのか」、なぜ宇宙の物理定数はこうなのか」という問題は、そこでは語られることもなく、あえて問う人間もいない、無意味な質問とみなされていた。


 だが、この新しい考え方は、原因から結果を考えるのではなく、結果こそが原因を求めるという論理に立脚している。そこでは、我々人間が今ここに存在し、宇宙を観測しているという事実から、宇宙の始まりの条件を規定してしまうのである。1947年、イギリスの物理学者ブランドン・カーターは、この立場を「人間原理」と名づけた。


 この宇宙は、偶然として片づけるにはあまりにも不可解な、人間(または炭素−酸素型生命)にとっての「居心地のよさ」を備えている。それは、宇宙のあらゆる基礎物理定数から字宙の構造、太陽や地球の天体物理的性質にいたるまで、すべての次元に及ぶ徹底した「この宇宙」の特性と言うことができる。


 たとえば、この宇宙における重力定数は6.7×(10の−8乗)ダイン/平方cmだが、この数値が現在のものよりほんの0.0000000000000000000000000000000000000001違えば、この宇宙には太陽のように、適度に安定した適度な大きさの恒星はひとつも存在しなかっただろう。

 また、原子核を作る核力の値が数パーセント違えば、この宇宙には物質が存在することもなかったはずだ。我々の体を構成する基本物質である炭素は、赤色巨星の内部でヘリウムから合成されるが、この途中で、ベリリウム原子核のきわめて不安定な共鳴状態に移行し、さらに炭素の不安定な共鳴状態に乗り移るという過程を経て初めて形をなす。この、非常に稀な共鳴状態をたまたまベリリウムと炭素がもっていなかったら、宇宙を観測する物理学者の材料も生まれなかっただろう。

 このような例は挙げればきりがない。というより、この宇宙で、人間の存在にかかわる物理条件はすべて、絶対にそれ以外であっては困る、まさにその値をとっているのである。


 これは決して偶然によるものではない。我々がここにいるという事実が、それを偶然ではなく必然のものとしているからだ−−これが人間原理の基本テーゼである。


 だが、人間原理の展開はこれで終わりではない。じつは、この先に、さらに驚くべき論理がひかえているのである。


 人間原理の立場に立つ人びとのなかでも、比較的穏健な、いわゆる「弱い人間原理」をとる研究者は、この宇宙が我々にとっての特別あつらえであることは認めても、その原因までを人間の存在のせいにすることはない。もしかしたら、この宇宙のほかには、ほんのわずか物理定数が違ったために炭素−酸素型生命の進化を許さなかった宇宙が無数にあったかもしれず、我々はたまたまこの宇宙のすべてのお膳立てが整っていたためにこうして存在できただけなのかもしれない。


 だが、もっとも「強い人間原理」に基づく研究者は、量子力学的手法を極限まで拡大し、人間の意志そのものが、直接宇宙の誕生の瞬間の初期条件をもかたちづくったと主張するにいたる。


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●ブランドン・カーターの強い人間原理と弱い人間原理

 ○強い人間原理
   ……「宇宙はその発展段階のどこかで宇宙内部に観察者が現われることを認めるようにできている」

 ○弱い人聞原理
   ……「我々は観察すべく目に入っているものは我々観察者が存在するのに必要な条件を満たさなければならない」
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 この立場をとる研究者のひとり、テキサス大学のジョン・ホイーラーによれば、人間が量子力学的現象を観測するということは、たんにその結果を確定するばかりでなく、その現象があるひとつの結果に収斂し、終わってしまった後でも、観測者が観測を遅らせることによって、その「結果」を変えることができるという。


 すなわち、人間は、ひとつの結果を観測することで、その結果に至る過去の経過や原因そのものまでも、時間を遡及して変更してしまう、ということに他ならないのである。


 従って、この宇宙が何から何まで人間にとっておあつらえ向きにできているのは不思議でも何でもなく、まさに我々人間が、量子論的な無限の状態の混沌のなかから、こうあれかしと願う理想の宇宙を観測によって選び取り、そのことによって全宇宙の歴史を自動的に「人間の生存可能な宇宙」の歴史に確定させてしまったからなのである。この宇宙をこの宇宙たらしめたのは、文字通り我々自身なのである。


 人間原理もここまで来ると、さすがに誇大妄想狂と紙一重の様相を帯びてくる。人間原理そのものに関しては少なくとも検討の余地があると認めても、このような主張にまで耳を傾ける人は多くはない。

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●宇宙を居心地よくするには?
     −−ホーキングらの人問原理宇宙論の隆盛

 現在、人間原理宇宙論は、主流派の宇宙論学者からは、いまだ検証不可能の、科学以前の段階にある仮説であるという評価しか与えられていない。また、これまで人間原理宇宙論の証拠とされていた宇宙の性質のうち、少なくともいくつかは新しい宇宙モデルによって無理なく説明されるようになった。

 たとえば、スティーヴン・ホーキングは、かつて、宇宙の時空の平坦性と等方性を説明するのに人間原理の立場を導入したが、今日の新インフレーション宇宙モデルでは、インフレーション時における宇宙の急激な膨張が宇宙の見かけ上の平坦性と等方性をもたらしたことを比較的簡単に説明してしまった。おそらく、今後も、理論の進展によって、宇宙の「信じられない居心地の良さ」の事例のいくつかには、思いもよらなかった説明が与えられることだろう。


 だが、それでもなお、人間原理宇宙論は決して滅び去ることはあるまい。たとえこれからどんなに優れた宇宙モデルが提案されようと、「では、なぜ宇宙は存在しなければならないのか?」という問いに、(人間にとって)意味のある答えを出せるのは、おそらく人間原理宇宙論だけだからである。


−−−−この続きは、次回に。 

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次回(第13回目)は、

    素粒子論的宇宙論−−宇宙創造の7日間−−の全体像に迫ります! 


    乞う ご期待! 


    《みんな 楽しんでいるかなぁ お〜い! どんな感じぃ?》

−−−That's All for Today ! So Long Everyone !

   (では、本日は、ここまで。)

By Dr. P
   
E-mail : poesie@s5.dion.ne.jp
       URL : http://poesie.hp.infoseek.co.jp/

         
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