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2004.8.11『Turkey Seminar』2-08
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みなさん こんばんは。暑い夜が続きますね。今夜も
Dr.
Pの『Turkey Seminar』の時間がやってまいりました。
*******((((((((((((BOOK2第8回))))))))))*********
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☆★☆ それでは、前置き抜きに…第14回目の授業 開講します。
起立っ 礼ぃ 着服(コラ!?)
*****Turkey
Seminar*****#014*****2004. 8. 11*****Dr. P*****
【2-08】 BOOK 2 : 現代宇宙論の萌芽
Sheet
14
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●『ゲージ理論』
とは何か?
−ワインバーグとサラムの電磁力と弱い相互作用の統一理論−
ゲージ理論というのは、素粒子の対称性を保つために導入された“場”の理論のことです。“場”というのは、力を生み出すもととなるポテンシャルのことと考えていいでしょう。たとえば、陽子と電子は、互いに+と−の電気で引き合って結びつき、水素原子をつくっている。この+と−の引力を、ゲージ理論では、電磁場というポテンシャルの存在として説明しているわけです。ところで、電磁場とは、光(光子)のことに他なりません。つまり、ゲージ理論によれば、相互作用する素粒子には、必ずそれを仲立ちする“場”−−すなわち粒子が存在する、ということになります。
『“場”の理論の系譜』 古典的な電磁場の考えを量子力学に適用し定式化したのは、 ハイゼンベルクとパウリである(1929年)。この理論を相対論的 に完成させたのがディラック(1931年)で、その後、朝永(1943年) やシュウィンガー(1948年)が、さらに発散の困難などを解決し 整備していった。 |
ゲージ理論は、もともと19世紀のマックスウェルの電磁気学に登場したのだが、1954年に、C・N・ヤンとロバート・ミルズがそれを素粒子に適用する理論を提唱した。そして、10年以上の歳月を必要としたものの、このヤンとミルズの考え方が見事に成功したのです。
1968年に、スティーヴン・ワインバーグとアブダス・サラムは、ゲージ理論によって、電磁気力と放射性崩壊のときに現われる弱い相互作用を統一すること(電弱統一理論)に成功しました。電弱統一理論は、弱い相互作用の原因となるゲージ場の存在を予言しました。場=粒子であるから、これは新粒子の予言です。そして、1983年、ついに、ジュネーブのCERNの加速器は、その予言粒子であるZ粒子とW粒子を発見したのでした。弱い相互作用を媒介する「ウィークボソン」の登場です!
※「自然界の四つの力」について
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| C・N・ヤン(揚振寧) 1922〜 中国の大学を終えた後、シカゴ大学でエンリコ・フェルミに師事。 1956年、T・D・リー(李政道)と共に発見したパリティ非保存は有名。 この業績によって、翌1957年、ノーベル物理学賞を受賞。 |
| S・ワインバーグ 1933〜 New York生まれ、コーネル大卒。32歳でカリフォルニア大バークレー校 の教授となる。1979年、サラムと共に電弱統一理論で、ノーベル物理学賞 を受賞。素人向けにやさしく物理を解説することが得意。 |
| A・サラム 1926〜 パキスタン生まれ、イギリスのケンブリッジ大学で博士号取得。1964年から、 イタリアのトリエステの国際理論物理学センター所長。1979年、ノーベル物理 学賞受賞。常に素粒子物理の最先端の研究を続けており、現在もスーパー・ ストリング理論の研究で有名。 |
| ●CERN(欧州合同原子核研究機関) スイスのジュネーブにあるヨーロッパ共同の研究施設。 Z粒子を発見した加速器は周の長さが27キロもある。 米国SSCに対抗して、新たな加速器の計画が進行中。 |
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●ゲルマンの『クォーク理論』
と量子色力学:
一方、ゲージ理論は、重たい素粒子群であるハドロン(陽子や中性子)にも適用されました。1970年代になると、ハドロンは3つのクォークから構成されている、というマレイ・ゲルマンとジョージ・ツヴァイクの仮説(1963年)が有望視されるようになってきました。このときクォーク間に働く力を媒介するゲージ粒子は、色つきのグルーオンと呼ばれています。
クォークもグルーオンも、実験で直接観測されたわけではありませんが、さまざまな実験結果を矛盾無く説明できるものでした。こうして強い相互作用の理論は1970年代後半には、量子色力学というまとまりのあるひとつの理論として完成されたのでした。量子色力学は、クォークをなぜ単独で取り出すことができないか、という説明をも完璧になしていて、最早この理論を疑う物理学者はほとんどいないと言っていいでしょう。
以上に述べたゲージ理論をその規範とした、電弱統一理論と量子色力学は、現代素粒子物理学の基礎であり、あわせて標準理論と呼ばれています。
| M・ゲルマン 1929〜 ワインバーグと同じNew York生まれ、27歳でカリフォルニア工科大学 の教授となる。1969年、ノーベル物理学賞を受賞。クォークの命名は、 ジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』のなかのカモメの鳴き声 から取ったという逸話は有名。 |
『“素粒子”の種類』
| 第一世代 | 第二世代 | 第三世代 | |
| クォーク | ・アップ ・ダウン |
・チャーム ・ストレンジ |
・トップ ・ボトム |
| レプトン | ・電子 ・電子ニュートリノ |
・ミューオン ・ミューオン・ニュートリノ |
・タウオン ・タウオン・ニュートリノ |
| ゲージ粒子 | ・光子 ・グルーオン ・ウィークボソン(Z粒子とW粒子) (電磁気力の媒介) (強い相互作用を媒介) (弱い相互作用を媒介) |
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※「自然界の四つの力」について
Click Here
−−こうして、標準理論は見事な成功を収めたのですが、それだけではありませんでした。それはビッグバン期の宇宙の映像を、リアルに描く手法でもあったのです。
−−それでは、ここで、その宇宙誕生後100億分の一秒から始まるビッグバンの模様を再現してみようではありませんか。。。。。
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●物質の対称性を破る「真空の相転移」!
宇宙開闢(かいびゃく)から100億分の一秒経つまでは、宇宙は混沌《カオス》以外の何ものでもない。そこに存在するものは、1000兆度の熱によって煮えたぎった各種のクォークとレプトン(電子やニュートリノなど)、そしてそれらのゲージ粒子として導入されたグルーオンと光子のごった煮、すなわちきわめて濃密なスープである。なんと1CCが、1兆トンのスープ!! しかもこれらの粒子は互いに生成・消滅を繰り返しているのです。(ただし、クォークとレプトンはこの時点ではすでに完全に別種の粒子である)
相対論によれば、質量とエネルギーは同じものの二面性とされる。たとえば、エネルギーの塊である光子は、有名なアインシュタインの公式 E=mC2
に則って、そのエネルギーに等しい質量に転化できる。すなわち、1個の光子は、電子とその反物質である陽電子のペアを生んだり、クォークのペアを生んだりしている。逆に、電子と陽電子はすぐに結合して消滅し、それらの質量の和に等しい光子を放出する。グルーオンも同様である。そうして、あらゆる粒子は瞬時もとどまることはない。まさに万物は流転しているのです。
しかし、100億分の一秒が経過したとき、ひとつの重大な変化が起こります。
ゲージ粒子である光子が2種類に分かれる、、のです。
これはでたらめな向きに動き原子の集まりである渾然とした液体が、温度が下がって固体となるときに、方向性をもった結晶を形づくるのに似ています。つまり、液状の物質の配置は特別の向きがなく対称的だが、結晶になると縦方向と横方向で構造が異なる、ということと同じ。
これを、素粒子論では「真空の相転移」によって、「自発的対称性の破れ」が起こった、と呼びます。こうして「原始」の光子は、私たちの世界のいわゆる光と、弱い相互作用作用のなかだちのゲージ粒子、すなわちウィークボソン(Z粒子とW粒子)とに分かれます。言い換えれば、このとき電磁気力と弱い相互作用ははじめて別々の力に分離したということです。
さらに言えば、100億分の一秒以前の宇宙においては、電磁気力と弱い相互作用はまったく区別できない同じ力で、世界に存在する力は 1.重力、2.強い相互作用、3.電弱相互作用
の3つしかなかったということになります。
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●巨大な質量を持つウィークボソン!
では、なぜ100億分の一秒の時点で、この「相転移」が起こったのだろうか?(この問いのレベルは、なぜ摂氏0度で水が氷になるのか? という問いと同じかも)。 それは、弱い相互作用のなかだちをするウィークボソンが、光子とは違い質量をもった粒子だからです。すなわち、こうなのです!
ウィークボソンの質量は非常に重く、電子の約10万倍。そこで、このウィークボソンをエネルギーから創造しようとすると(前述のアインシュタインの公式 E=mC2より)、1000兆度の温度が必要なのである。つまり、1000兆度以上の温度のなかでは、ウィークボソンは自由に生成・消滅しているが、1000兆度以下の温度になると、もはやエネルギーはウィークボソンをつくることができなくなってしまう。
こうして、素粒子の濃密スープのなかで、それ以前に生成され、かつ生き残っていたウィークボソンだけが「のけもの」になってしまうのです。クォークやレプトンは、ウィークボソンに比べればずっと軽いから、いまだスープのなかで生成・消滅するごった煮の仲間であり続けるわけです。
以上のシナリオは、ワインバーグとサラムの電弱統一理論のなかで、ほとんど完璧に証明がなされています。1000兆度というと、とてつもない温度のように聞こえますが、実は現在稼働している世界最大級の加速器が到達しうるエネルギーのほぼ上限なのです。事実、CERNの加速器はこのエネルギーを実現することによって、1983年、ワインバーグとサラムにノーベル賞をもたらすきっかけとなったウィークボソンの生成に成功したのでした。
ウィークボソンがなぜそのような巨大な質量を持つか、という疑問が残されますが、統一理論は、それをヒグス場(※Sheet 15にて説明します)という別の場を導入することによって説明しています。新しい場が導入されたのだから、当然それに伴ってまた別種のヒグス粒子が予言される、ということになります。しかし、ヒグス粒子はいまだに発見されていません。その質量さえも不明です。そういう意味では、電弱統一理論もいまだ完全な理論ではない、と言えます。
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●幽閉されるクォークと陽子・中性子の誕生!
さて、ここまでの映像をストップ・モーションから、わずかに時間を進めてみましょう。
ビッグバン開始以降、ただただ混沌のみだった原始素粒子の濃密スープは、これから百秒間のあいだに、驚嘆すべきドラマを見せてくれることになります。私たちの生命自身が今現在、この宇宙に存在できるのも、すべてこの百秒の歴史的事件の結果なのです。
1億分の一秒が経過し、宇宙の温度が100兆度になると、クォークの動きが鈍くなる。それは、クォーク同士を引きつけるゲージ粒子であるグルーオンが、きわめてねばねばとした強固な接着剤だからです。このため、3個のクォークが結びついたハドロン(陽子や中性子など)や、2個のクォークが結びついたパイオンが生成され、これらの複合粒子のなかに閉じこめられたクォークはもはや永久の囚人となってしまうのです。
このあたりの事情を明瞭に説明してくれたのが、電弱統一理論と並んで現在の素粒子物理の基礎となった量子色力学です。「色」の意味は、クォークには、「赤」「青」「緑」の3色があり、その3色のクォークが結びつけば「白」いハドロンが出来上がる、という光の三原色をイメージして比喩的に使ったものです。
このクォークの閉じこめによるハドロン生成の時期は、宇宙開闢後1万分の一秒、温度が1兆度に下がるまで続きます。
Sheet 13 【宇宙創造の7日間】 第4期…ビッグバン期…
横軸: 4-2: 10のマイナス8乗秒〜10のマイナス4乗秒(=1万分の1秒)…(ハドロン期)
縦軸: 4-2: 10の14乗度K〜
10の12乗度K(=1兆度K)…(ハドロン期)
1万分の一秒の時点で、どんな映像が見られるのか?
濃密なスープ(1CCあたり1000トン)の構成材料は、今や陽子と中性子およびもっと軽いパイオンなどのハドロン、軽いレプトン(電子やニュートリノ)、そして光子だけになっています。陽子や中性子より重いハドロンは、すべて陽子あるいは中性子に崩壊してしまっている。
陽子や中性子の質量は電子のほぼ1800倍なので、もはやこの時点のエネルギーでは、光子は陽子や中性子を創生するすることはできません。つまり、ウィークボソンについて起こった例の「のけもの」が、陽子や中性子にも起こったわけです。また、電子やニュートリノなどのレプトンは、相変わらず光子との間で、生成・消滅を繰り返しています。
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| ●ハドロンとレプトン 陽子、中性子は、電子の約1840倍の質量をもっています。このような重い素粒子 の仲間をハドロンと呼びます。一方、電子のような軽い素粒子の仲間はレプトンと 呼ばれます。ハドロンの質量が大きいのは、それがクォークの結合という複合的な 粒子だからです。ハドロン(すなわちクォーク)とレプトンはまったく別種の粒子の ように振る舞うので、物質の2大分類と考えてよいでしょう。 |
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以上の時期が、陽子と中性子が創られた「ハドロン期」とすれば、
次の【長い一秒間】は、「レプトン期」とも呼ばれる時期です。
Sheet 13 【宇宙創造の7日間】 第4期…ビッグバン期…
横軸: 4-3: 10のマイナス4乗秒〜
10の0乗秒=1秒 …… (レプトン期)
縦軸: 4-3: 10の12乗度K〜
10の10乗度K=100億度K … (レプトン期)
−−−−宇宙開闢後一秒の世界……この続きは、次回に。
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2-08 了)))))))))))))**********
次回(第15回目)は、
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●『ニュートリノの放出』
●
●『核融合炉としての宇宙』
●
●『ゲージ理論の未解決問題』
●
●『大統一理論』
−「自然界の四つの力」統一へのステップ−
と続きます。
乞う ご期待!
−−−That's
All for Today ! So Long Everyone !
(では、本日は、ここまで。)
By
Dr. P
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